相手の力を借りて面子を作ることを『副露(フーロ)』または『鳴き』と呼びます。
副露はポン・チー・カンの3種類あり、ポンが同じ牌を3枚集める行為、チーが順子でそろえる行為、カンが同じ牌を4枚集める行為です。
麻雀では、テンパイしたらリーチを打てますが、いつも自力で全部作れるとは限りません。うまく相手の力を利用して、あがることもできます。そのかわり、相手の力を借りる代償として、リーチをかけることができなくなります。
その時々に応じて、リーチをした方がいいのか、それとも副露した方がいいのか、選びながら手を進めてみましょう。
(参考動画:「ポン」について・「チー」について・「カン」について)
デメリット
点数計算の時でもお伝えしたように、麻雀は『難しいほど得点が高くなる』ゲームです。つまり、相手の力を借りて楽して面子を作ってしまう副露の方が、リーチをした時よりも得点が下がる場合の方がほとんどです。
副露した際のデメリットとして、
・リーチができない
・リーチができないので、一発が消える
・リーチができないので、裏ドラが見れない
・一発と同様に、メンゼンツモなど、いくつかの役が消えてしまう
・手牌の枚数が減るため、守備のために持てる牌が少なくなる
などなど。
これだけあるにも関わらず、それでもなお相手の力を借りてあがりを目指した方がよい時もあります。
どういう時に鳴くの?
相手の力を借りる行為は『攻撃側』の役割です。そして、鳴けば鳴くほど、自分の手元に残る牌の枚数は少なくなります。逃げるために温存しておく牌が少なくなっていくということは、基本的な副露のタイミングは『リャンメン待ち以上の良形』または『すごく点数の高い手』が良いということです。これとは逆に『すごく点数の安い愚形』になってしまった場合、それ相応の反撃は覚悟しておきましょう。
点数を高く見せよう
鳴く時のコツは何よりも『相手から安い手であると思われない』ようにすることにあります。
たとえば、ドラが字牌の時に、タンヤオを狙ってポンとチーを繰り出すと、自分の手が安いということが他のプレイヤーにバレてしまいますね?
そうならないように、配牌の時『ドラの確認』を忘れず行っておきましょう。ドラと相性のいい役で仕掛けていくと、他のプレイヤーもなかなか攻撃しづらくなってきます。
トイトイまたはホンイツ
相手の力を借りて作る役の代表格として、対々和または混一色という役があります。
この二つは、相手の力を借りてなお2翻役がある上に、役牌と非常に相性がいいので高得点になりやすい役です。
対々和を狙う時は、残っている対子ができるだけ端っこの数字になっていることがコツです。
混一色を狙う時は、役牌があるか、またはドラ色で集めると効果的です。
ドラと相性のよい役
以下に記載している役は、あくまで相手に力を借りてあがることを前提にした時に、作ることができる役です。
5を中心として、ドラが外側であればあるほどチャンタ・ドラが内側であればあるほどタンヤオが効果的です。また、一気通貫や三色同順はどのタイミングであっても比較的使いやすい役といえるでしょう。
ドラが字牌の時
チャンタ
ドラが1・9
チャンタ・一気通貫・三色同順・純チャン
ドラが2・8
チャンタ・一気通貫・三色同順・純チャン・タンヤオ
ドラが3・7
チャンタ・一気通貫・三色同順・純チャン・タンヤオ
ドラが4・5・6
一気通貫・三色同順・タンヤオ
たくさん使うならポンの方
『チー』と『ポン』を比べると、『ポン』の方が圧倒的に良いことが多いです。それは、相手プレイヤーが考えなければならない役の種類が多いからです。
『ポン』した時、トイトイなのか、混一色なのか、タンヤオなのか、チャンタなのか、それとも役牌やその他の手役を隠し持っているのか…などなど、相手を考えさせる要素が多いからですね。どれか絞り込めないようにすればするほど、相手にはプレッシャーがかかります。
一方『チー』をした場合、トイトイが候補の中から真っ先に抹殺されます。そして『チー』が順子に対するものである以上、晒した数字の組み合わせの中に1や9が混ざっていればタンヤオが消えますし、逆に456が含まれていればチャンタが消えていきます。
もちろんドラ3や、清一色などの高得点であれば『ポン』や『チー』どちらでも驚異的であることに間違いはありませんが、ドラ2枚以下で仕掛ける場合はより一層、相手からどう思われるかを意識しておきましょう。
カンっていつするの?
カンは、『暗カン』『加カン』『大明カン』の3種類があります。麻雀漫画「咲ーsakiー」から麻雀を知った人にとっては、なじみ深い役の1つでしょう。ただ、漫画と違って実戦ではそこまでカンをするタイミングはでてきません。そもそも4枚しか入っていない牌の4枚すべてが自分の手元に集まるタイミングが少ないからです。
それでもカンをする時はいくつかあります。
まず『暗カン』は、相手の力を借りずに4枚集めることです。ということは、鳴きではないため、リーチをすることができます。暗カンの恩恵は、カンドラを開き、裏ドラが1つ増えることにありますので、『暗カンする時=自分がリーチをする時』と考えてもらって大丈夫です。
『加カン』は、最初に『ポン』した状態で4枚目の牌をその『ポン』の形に加えて、後から『カン』の形にすることです。カンをする以上、もちろん新ドラが増えますが、『暗カン』と違って最初の『ポン』の時に誰かの力を借りてしまっている以上、リーチをすることができません。
ですので、そもそも『加カン』はしなくてよいことが多いです。誰からリーチが入っても絶対に逃げないくらい手が高い、その上で誰よりも先に1枚早くツモりたいときなど、限られた条件下で『加カン』が発生します。
『大明カン』は、もともと自分の手の内に面子として3枚持っている状態のところに、誰かが4枚目の牌を捨てたので、それをポンする感覚と同じように『カン』する行為です。他のプレイヤーの力を借りますのでリーチができなくなります。ですので、これもほぼ『加カン』と同じく、絶対に逃げない攻撃の手が入ったら発生することがあります。
練習あるのみ
麻雀はゲーム上『できるのだけれど、しない方が損しない行為』がたくさんあります。カンなど、特にそういったケースになることが多いですが、ゲーム上できる行為である以上、カンして何か問題があるわけではありません。ポンやチーも実際にやってみて、自分なりに「これは良かった」「これはダメだった」と感じつつ、鳴きをマスターしていってくださいね。
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